美術出版社(東京都渋谷区)は、『美術手帖』が主催する「第17回芸術評論募集」の選考結果を発表しました。2025年12月から2026年1月まで公募を行い、一席に寺町英明、次席に久保田荻須智広、渡邉武徳、佳作に石川嵩紘、大友渉、吉見太一の各氏が選出されました。
『美術手帖』の「第17回芸術評論募集」では、2025年12月から2026年1月まで公募を行い、椹木野衣、清水穣、富井玲子、星野太の四氏による選考を経て、5月21日に入選6作品を発表しました。
一席
寺町英明「寝そべって見る革命──動画、気散じ、統覚の変容をめぐる美学的考察」
次席(2作品)
久保田荻須智広「返済不能な作品たち──その死の設計へ向けて」
渡邉武徳「自然のもどき──藤本壮介《大屋根リング》批判」
佳作(3作品)
石川嵩紘「『リバース・オリエンタリズム』から見た生活陶芸 現代美術という帝国に向かう周縁」
大友渉「演算された幽霊たちの臨床記録──唯物論的還元を超えた、美と愛の対象関係論」
吉見太一「荒川修作/マドリン・ギンズという人類学的徴候──デュシャン的なパラダイムと訣別するた
め」
「芸術評論募集」は、1954年に月刊『美術批評』の「新人評論募集」として創設。第2回以降は『みづゑ』『美術手帖』『国際建築』『デザイン』各誌の連動のもと、第8回からは『美術手帖』に舞台を移して、評論家の登竜門として多数の才能を発掘してきました。これまでの入賞者には東野芳明、中原佑介、松本俊夫、李禹煥、谷新らが名を連ね、2019年の第16回では次席にウールズィー・ジェレミー、北澤周也、佳作に大岩雄典、沖啓介、はがみちこ、布施琳太郎が選出されています。
7年ぶりの開催となった今回は、113本の論考が寄せられました。椹木野衣、清水穣、富井玲子、星野太の四氏による厳正な選考が行われました。一席に選出された寺町英明「寝そべって見る革命──動画、気散じ、統覚の変容をめぐる美学的考察」は、カントやベンヤミンによる論を踏まえつつ、現代の動画視聴環境を「気散じ(Zerstreuung)」と位置づけました。動画を視聴する環境がスクリーンからタッチパネルへと移行する現代において、この「気散じ」を、たんなる主体性の喪失ではなく、身体と技術が再編成され、新たな集団的身体や芸術受容が生まれる契機としています。
一席の作品は審査員による選評座談会とともに、6月5日刊行の『美術手帖』2026年7月号にて掲載します。また、次席、佳作を含む6作品は、順次、ウェブ版「美術手帖」にて掲載します。
なお、授賞式は6月18日に日本出版クラブホール(東京・神保町)で開催予定です。
「芸術評論募集」公式サイト|https://hyoron.bijutsu.press
お問い合わせ|株式会社美術出版社 芸術評論募集事務局 hyoron@bijutsu1905.co.jp
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