美術手帖2025年7月号 特集「岡﨑乾二郎」 | 株式会社美術出版社|アートを社会に実装させる

美術手帖2025年7月号 特集「岡﨑乾二郎」

岡﨑乾二郎(1955-)は、1981年3月に個展「たてもののきもち」(村松画廊、東京)で「あかさかみつけ」シリーズを発表し、その日常的な素材からなる軽やかな表現で颯爽とシーンに現れます。以降、絵本、メディア・アート、環境設計、タイル制作、描画ロボットの開発、批評活動に至るまで、多岐にわたるメディウムをひとつのテーブルに載せながら、多くの仕事を達成してきました。
その後、企画監修した「抽象の力」展(豊田市美術館、2017)の開催、書籍『抽象の力』(亜紀書房、2018)の刊行が続き、2019年には同じく豊田市美術館で大規模回顧展「視覚のカイソウ」が行われると、作品と批評活動が不可分のものとして、その全貌を見渡す機会となり、国際的評価と存在感は高まっていきます。
そして2025年のいま、東京都現代美術館で「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」展(4月29日~7月21日)が開催されています。コロナ禍を経たこの間に、世界にも岡﨑自身にも大きな転回が起きました。2022年以降の新作群がずらっと並ぶ会場では、驚くべき造形の世界が展開されています。
本特集では、岡﨑の頭の中に折り畳まれている「彫刻の仕組み」「絵画の仕組み」「批評の仕組み」等について、第三者の視点も交えて解き明かしていくことで、この 造形作家の「起こし絵」を立体的に立ち上げてみたい。
アーティスト・インタビューは、現代の資本主義や新自由主義の欺瞞を、様々なメディアを用いて挑発的に暴く作品を発信・拡散するアートコレクティブMSCHF。東京での個展に際して、彼らの考える、芸術の定義、作品と製品の関係、イメージの拡散とその力学について、馬定延が話を聞いた。

SPECIAL FEATURE

岡﨑乾二郎

造形作家の「起こし絵」をつくる

「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」展

撮影=大町晃平

VIEWING SESSION

彫刻鑑賞会

伊藤誠×髙田安規子・政子×冨井大裕×

原田遠×吉川陽一郎×名和晃平

沢山遼=モデレーター 青木識至=構成 稲葉真=撮影

絵画鑑賞会

浅見貴子×堂本右美×山田はじめ×山本雄基

三輪健仁=モデレーター 関貴尚=構成 稲葉真=撮影

岡﨑乾二郎インタビュー01

彫刻の仕組み、絵画の仕組み

沢山遼、三輪健仁=聞き手 永峰美佳=構成

COLUMN

バルバス・プランツ

津田佳紀=文

T. T. T. Bot

辻田勝吉=文

ミルチス・マヂョル

芦澤忠=文

灰塚アースワークプロジェクト

筒井宏樹=取材・文

四谷アート・ステュディウム

高嶋晋一=文

ESSAY

新たな象形の探求──岡﨑乾二郎の彫刻

清水穣=文

岡﨑乾二郎インタビュー02

批評の仕組み

山本貴光=聞き手・構成

DISCUSSION

鼎談:斎藤環×宮本省三×柳澤田実

造形作家・岡﨑乾二郎の現在地

三橋輝=聞き手・構成

ARTIST IN FOCUS

近藤亜樹

神山亮子=取材・文

檜皮一彦

蔵屋美香=取材・文

筒|tsu-tsu

渋革まろん=取材・文

WORLD REPORT

New York/London, Leeds/Berlin/Gdańsk/São Paulo/Hawaii/Anchorage

ARTIST INTERVIEW

MSCHF

馬定延=聞き手・構成

REVIEWS

「SIDE COREとともに『能登半島に行く』」

「SIDE COREとともに『野焼き』

椹木野衣=文

「像の旅 伊藤高志映像実験室」展

清水穣=文

青柳龍太「我、発見せり。」(37)

安藤裕美「前衛の灯火」第14話

プレイバック!美術手帖 原田裕規=文

BOOK

月刊美術史

【インフォメーション】

発売日
2025.06.06
著者
美術手帖編集部
造本・体裁
A5変形
定価
2000

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