
20世紀を代表するアーティスト、ルイーズ・ブルジョワ。
日本では27年ぶりとなる大規模個展の公式図録。
2024年9月25日から2025年1月19日まで東京・六本木の森美術館で開催された展覧会、「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」の公式図録です。
本展は、ブルジョワが70年にわたるキャリアの中で発表したインスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画など、約100点の作品を展示し、その活動の全貌に迫った日本では27年ぶりの大規模個展です。
現在も世界中の美術館で展示され続けており、多くのアーティストに影響を与えるブルジョワの日本語における作品集ともなる1冊です。日英併記。
ブルジョワの芸術
ブルジョワの作品は、男性と女性、受動と能動、具象と抽象、意識と無意識などの対立を探求し、対極的な概念を共存させています。幼少期の複雑でトラウマ的な経験を基にしており、記憶や感情を普遍的なモチーフに昇華させ、相反する感情を表現しました。
本展の副題
「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」は、ハンカチに刺繍で言葉を綴った晩年の作品からの引用です。ブルジョワの感情の揺れや二重性を示しながら、ブラックユーモアの才覚も感じさせます。自身を困難な状況を乗り越えた「サバイバー」として捉えていたルイーズ・ブルジョワ。現代社会においても多種多様な「地獄」のような苦しみを克服するための手がかりを提供してくれるでしょう。
[目次]
第1章 私を見捨てないで
コラム1 堕ちた女 初期の絵画と彫刻
第2章 地獄から帰ってきたところ
コラム2 無意識の風景 1960年代の彫刻
第3章 青空の修復
–
論考「ルイーズ・ブルジョワ:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」椿 玲子
論考「「それは何度もくりかえし戻ってくる」:ルイーズ・ブルジョワと精神分析を巡って」ジェイミソン・ウェブスター
浮かぶマットレス:ルイーズ・ブルジョワの精神分析的著述(展覧会企画監修者のフィリップ・ララット=スミスによる選出)
ルイーズ・ブルジョワ 年表
作品解説
出展作品リスト
主要参考文献
アートで社会の課題解決したい、展示を企画したい、ワインに関わるイベントをしたい、
書籍を出版したい、メディアに広告を出稿したい……。
アートとワインを軸とした事業のご相談を、課題の発掘から承ります。
Related Publications
人類史が終わったあとの芸術とは? 『後美術論』『震美術論』に次ぐ三部作完成
【 特集 】 イタリア グランディ・マルキ 麗しき18ワイナリーを巡る 北部〜中部編 高品質イタリアワインの礎を築いたグランディ・マルキ協会 ピオ・チェザレ/ミケーレ・キアルロ/カ・デル・ボスコ/ ...
SPECIAL FEATURE 韓国の現代アート最前線 国際的な注目の先にある、そのリアルとは? 趙純恵、権祥海、紺野優希=企画協力 INTERVIEW キム・アヨン 権祥海=聞き手・構成 佐藤小百合...
「ここは、2回目の人生を送る世界だよ」 愛すべきオバケたちを描く、 アーティスト矢入幸一の絵本のような作品集
点(ドット)や曲線を自らの手で反復しながら、生命の気配や運動によるエネルギーを想起させる作品を制作するアーティスト、大和美緒。代表的なシリーズ作品を収録した作家生活10年を記録した初の作品集。
夢の世界とリアルな日常が交差する、独自の世界を表現する長井朋子。国内外で多くの展覧会を成功させ、テレビ番組のアートワークや小説の挿画、公共施設のビジュアルなども手掛ける多彩なアーティストの作品集。