美術手帖2024年10月号 特集「AIと創造性」 | 株式会社美術出版社|アートを社会に実装させる

美術手帖2024年10月号 特集「AIと創造性」

 現在、様々な生成AIサービスが公開され、イラストレーション、文章、音楽、映像などのデジタルコンテンツを「生成」することが容易になっている。そのような生成AIは、既存の創作物、または私たちが日常的にSNSに投稿するような文章や画像などを、大量のデータとして学習・パターン化し、「それらしい表現物」を高いクオリティで出力することが可能だ。そのため、AIによる生成物は、倫理面や権利処理において多くの議論を呼んでいる。

 本特集では、生成AIがアーティストの制作にもたらすもの、そしてAIと人間の「創造性」を考えるために、AIを使って作品を制作するアーティストや研究者、機械と人間の創造性をめぐる歴史、AI生成物の著作権問題などを取り上げる。学習とは何か? 生成とは何か? 創作とは何か? AI技術と人間の制作の現在と歴史を通して、「創造性」の新たな地平を見つめてみたい。

特別記事は、国立新美術館で大回顧展を開催中(〜11月11日)の田名網敬一。田名網は大学在学中の1950年代後半から60年超にわたってジャンル横断的に旺盛な創作活動を続けきた。戦後のアメリカ文化を一身に浴びるなかで培われてきた、その創造性とオリジナリティはどこにあるのか。表象文化論・現代美術史研究の加治屋健司が読み解く。

アーティスト・インタビューは、2000年代から世界各地の美術館で個展を開き、旺盛な制作を続けるトーマス・ハウセゴ。マリブとロサンゼルスで制作された新作は、月と卵をモチーフに、そして日本の俳句からもインスピレーションを受けている。日本初の個展に合わせて、美術家/美術批評の石川卓磨が話を聞いた。

SPECIAL FEATURE

AIと創造性

学習、生成、創作の新たな地平を探る

マンガ

AIとアーティスト

「美大」編/「制作」編/「展覧会」編

徳井直生=監修 朝倉世界一=マンガ

座談会

AIが問う人間の知性と「小さなAI」の可能性

久保田晃弘×清水知子×徳井直生

松本香織=構成

INTERVIEW

トム・ホワイト

徳井直生=聞き手 中野勉=翻訳・構成

村山悟郎

石川卓磨=聞き手・構成

ジェームズ・ブライドル

久保田晃弘=聞き手 田村かのこ=通訳 近江ひかり=構成

ARTISTS & RESEARCHERS FILE

ソフィアン・オードリー/イアン・チェン/ウィニー・スーン/アンナ・リドラー/サム・ヘインズ/トレヴァー・パグレン/Qosmo/山本理恵子/AI美芸研/ステファニー・ディンキンス/ジョイ・ブオラムウィニ/モレシン・アラヤリ/シンスンベク・キムヨンフン

システムの美学を解きほぐす──生成AIとアート

伊村靖子=文

画像生成AIモデルの「作家性」とは何か?

「Rhizomatiks Beyond Perception」展に寄せて

丹原健翔=文

AIと人間の創造性を考えるための技術、人物、アート年表

徳井直生=監修 高岡謙太郎=構成

生成AIと著作権 基礎講座

水野祐=監修

[論考]

AIアートと生きものたちの惑星的な知の美学

原島大輔=文

SPECIAL FEATURE

田名網敬一「記憶の冒険」展

融合するポップとキッチュ

加治屋健司=文

ARTIST IN FOCUS

久保寛子

戸塚愛美=取材・文

WORLD REPORT

New York/Glasgow,Dublin/Leipzig/São Paulo/Seoul

ARTIST INTERVIEW

トーマス・ハウセゴ

石川卓磨=聞き手 田村かのこ=通訳

REVIEWS

「みよし展」 

椹木野衣=文

「没後30年 木下佳通代」展 

清水穣=文

青柳龍太「我、発見せり。」(34)

安藤裕美「前衛の灯火」第11話

プレイバック!美術手帖 原田裕規=文

BOOK

月刊美術史

【インフォメーション】

発売日
2024.09.06
著者
美術手帖編集部
造本・体裁
A5変形
定価
2000円

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