
繊細に描かれた季節の移ろいや、和紙から透けて見える箔の光、緻密に描かれた生きものの躍動感など、生命の豊かさに溢れた作品で知られる画家、神戸智行の作品集です。初期作・代表作など、大作を中心に58点を収録しました。屏風など横長の大作が多い神戸作品。その迫力を大画面で味わっていただけるよう、開きの良い製本や、横に大きく開くページを入れるなど、仕様にも拘りました。また拡大図も豊富に掲載し、箔や極薄の和紙・彩色を重ねて描く技法によって生み出される独特の遠近感や、小さな生き物の描写など、細部までご覧いただけます。
読み物も充実。日比野克彦(アーティスト)によるエッセイ、青木忍(高崎市タワー美術館学芸員)よる論考を収録。神戸のこれまでの画業を振り返りつつ、製作におけるアーティストの身体感覚、小さな生き物の描写や、箔を用いた独自の技法、古典から学ぶ創作の姿勢などを丁寧に紐解きながら、神戸作品の魅力と未来へ込められた願いに迫ります。
さらに、西高辻󠄀信宏(太宰府天満宮宮司)と神戸との対談を収録。アメリカ・ボストンでの出会いから、大宰府への移住、そして襖絵作成までの軌跡を振り返ります。巻末には、展覧会はもちろんワークショップやメディアへの執筆・出演までを記録した年譜を掲載。これまでの活動を詳細に検証する資料性の高い1冊となりました。
目次
ごあいさつ 文=西高辻󠄀信宏
展覧会によせて 文=神戸智行
図版
1章 季節の移ろい
2章 生き物たちへの眼差し
3章 光の中で
4章 祈りのかたち
5章 千年を描く
博多の老舗和菓子店「鈴懸」の掛け紙と包装紙
寝ても覚めても一筆一筆 文=日比野克彦
千年に習い、千年を描く 文=青木 忍
一瞬の永遠 ―運命の出会いから未来を語らう 神戸智行×西高辻󠄀信宏
年譜
作品リスト







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