一部に熱狂的なファンをもつ、アーティスト佐藤誠高(さとう・なりたか)。彼がモチーフとするのは、実在の人物や花などです。
彼はパネルに向き合うと、まず、写真と見間違えるほどの精密さでモチーフを鉛筆の線のみで模写していきます。パネルいっぱいのサイズに描き上げた鉛筆画が完成すると、自分で描いた「物を語りすぎる目」や「美しさを誇張しすぎる花弁」を色鮮やかな多色使いのアクリル絵具で大胆に塗りつぶすのです。一般的に人々がもっとも美しいと目を奪われる部位をあえて絵具で覆い隠すことで、モチーフ自体がもつ本来の美しさを表現しています。
ストイックすぎるまでに制作活動に勤しむ佐藤ですが、その作風ゆえに制作点数も少なく、多くのコレクターが新作を待つ寡作の画家です。個展など作品を発表する機会も少なく、今回の作品集は、佐藤の作品がまとめて見られる貴重な1冊となっています。72点の絵画、立体作品の写真のほか、気鋭の文化研究者・山本浩貴(弊社刊「ポスト人新世の芸術」、中公新書「現代美術史」ほか)による論考原稿を収録し、彼の描く「美」とは何かを読み解く一冊となっています。
https://store.tsite.jp/ginza/event/art/38297-1153420115.html
1980年、愛知県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。2007年、第8回SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)にてグランプリを受賞。2017年、Independent Tokyo 2017にてグランプリ受賞。主な個展に「DUAL」(2019/みんなのギャラリー、東京)、「RAW」(2021/Hiro Hiro Art Space、台北)、「Show Case」(2022/SCÈNE、東京)、「REVEAL」(2022/GR Gallery、ニューヨーク)など。
アートで社会の課題解決したい、展示を企画したい、ワインに関わるイベントをしたい、
書籍を出版したい、メディアに広告を出稿したい……。
アートとワインを軸とした事業のご相談を、課題の発掘から承ります。
Related Publications
SPECIAL FEATURE ヒルマ・アフ・クリント 「全宇宙」を理解するために異能の画家が描いたものとは? 代表作 徹底解説 神殿のための絵画 Works on Paper and other N...
【特集/フランス 旅するボルドー 新ワイン体験】 いま、ワインツーリズムをボルドーで体験すべき理由 ル・ロジ・ド・ヴァランドロー/ル・バドン・ブティック・ホテル/シャトー・ド・フェラン/シャトー・ベル...
イヌは人類最良の、心の友? 大英図書館の豊かなコレクションでお届けする装飾写本シリーズ、『中世ネコのくらし』に続く第2弾!
スケッチというのは、頭の中に去来している不安定な着想を、この世界の次元に引っ張り出す営みである。―原 研哉(本文より)
SPECIAL FEATURE 現代の陶芸 領域を超えていく、その革新性はどこに? INTERVIEW 桑田卓郎 唐澤昌宏=取材・文 安永正臣 三浦弘子=取材・文 稲崎栄利子 マルテル坂本牧子=取材・...
【特集/イタリア『唯一無二の輝きを放つ 高貴なる赤ワイン アマローネ』】 しなやかな美しさで魅了する 現代的アマローネへの道 トンマージ/マージ/トッレ・ドルティ/ゼナート/ スペリ/グエッリエー...