彫刻家・コムロタカヒロの初作品集。 怪獣や妖怪を思わせる彫像にビビッドな色遣い。ポップ&キッチュな作風に熱狂的ファンをもつコムロワールドが炸裂!
アート誌はもちろん、カルチャー誌でも《注目のアーティスト》として取り上げられるコムロは、ビビッドな色で塗装された怪獣や妖怪を思わせる大型彫像をメインに制作しています。彼の作品に魅せられたアメリカのアートトイ会社とコラボ制作したソフビ作品が大ヒット! ポップ&キッチュ&ダークながらもウェルメイドなコムロワールドは、世界でも熱狂的ファンを魅了し続けています。そんなコムロ作品を収録したアートブックは、コムロのこだわりが詰まった渾身の一冊です。
つるりと磨き上げられ、ビビッドな色に塗り上げられたキモカワキャラクターの数々――。ドラゴン、ろくろ首、多頭の怪獣などなど、コムロタカヒロが生み出すキャラクターは、幼少期に観たアメコミのヒーローやSF映画の登場人物、読み漁った書物に出てきた伝説の生物など、さまざまのイメージから着想を得て練り上げられたものです。
ポップ&キッチュ、でもどこか「神聖さ」をも感じされる不可思議な世界観をもつ作品群。そこにはコムロの芸術家としての緻密な技とセンス、そして詳細にわたるリサーチ情報が詰め込まれています。コムロ作品に秘められた「魔力」ともいうべき魅力は、アート業界を越え国内外の多くのフィギュアファンにも支持されるようになりました。
3DCGで作品イメージを描くところから始まるコムロ作品には、木材を中心に、FRP(繊維強化プラスチック)やブロンズなど様々な素材が用いられます。本書に収められた約100点にも及ぶ掲載作品は、正面だけでなく背面からの写真も多く配置。作品に描き込まれた呪文のような文字や記号などのディテールまでしっかり見て取れるデザインが特徴です。
テキストページでは作家インタビューのほか、コムロ作品の芸術性を高く評価する評論家たちの論考原稿も2本掲載。金沢21世紀美術館館長や東京藝術大学大学美術館長などを歴任した秋元雄史、「反アート入門」(幻冬舎)「後美術論」「震美術論」(ともに美術出版社)などの著作で知られる美術評論家・椹木野衣の二人が解くそれぞれのコムロ論はいずれも必読です。
巻末には写真家・平野太呂が切り取った制作現場写真を32ページにわたり収録。コムロ作品の新たな側面が見える一冊となっています。
【掲載内容】作品写真(約100点)
コムロタカヒロ インタビュー
美術評論家によるエッセイ 寄稿者:秋元雄史、椹木野衣
制作現場写真 撮影:平野太呂
彫刻家。1985年、東京都生まれ。2011年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。幼少期に見たアメコミやSF・ホラー映画、フィギュアやアートトイなどに影響を受け、ポップ&キッチュながらダークサイドも感じさせる大型木彫作品を中心に制作。本書にも収録した木彫作品がロサンゼルスにあるアートトイ会社の目に留まり、木彫をベースに制作したソフビ作品を発表するとアメリカで爆発的人気となり、コムロ作品が世界でも注目されるようになりました。2020年、自身の制作スタジオTkoM Factoryを設立。おもな個展に「WILDERNESS」(The Anzai Gallery、東京、2022)、「WHITE HOLE」(The Anzai Gallery、東京、2021)など。2023年12月にはロンドン、東京にて個展開催。
https://www.tkomsculpture.com
Instagram:@tkomfactory
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