現代最高の画家のひとり、デイヴィッド・ホックニーは、1937年にイギリスに生まれ、絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術などの分野を横断しながら、60年代より半世紀以上にわたり現代美術の第一線で作品を発表し続けてきました。彼の作品の多くは、身の回りにある人物、静物、自然などがモチーフになっていて、その制作は、まずそれらを真摯に、そして徹底的に「見る」ことから始まっています。その視覚の豊かさを起点にした、描写力に優れた絵画空間は、世代や人種を超えて世界中の多くの人々を魅了してきました。
いまもなお旺盛な制作活動を続ける画家・ホックニーの、日本では27年ぶりとなる「デイヴィッド・ホックニー展」が東京都現代美術館で開催されます(7月15日〜11月5日)。本特集では、作家自身の言葉・代表作を通観する作品制作年代記・関係者のインタビュー・論考から、その人生、独自の視覚論と制作論、そして作品に潜む思想に迫ります。
SPECIAL FEATURE
David Hockney
デイヴィッド・ホックニー
「見るを愛した画家の人生」
ノルマンディーの12ヶ月
WORDS
デイヴィッド・ホックニー
画業人生で語った、その言葉
CHLONOLOGY
1937~2023
ホックニーの人生と作品制作年代記
内田伸一=構成
COLUMN
初期作品における「様式の折衷」を可能にする条件とは?
桝田倫広=文
日光浴をする人
クリス・スティーヴンス=文 中野勉=翻訳
デイヴィッド・ホックニーの写真──フォトコラージュ/キュビスム/記憶の保存修復
石川卓磨=文
龍安寺庭園を変換する──ホックニーのフォトコラージュ
山内朋樹=文
レンズ、画像をキーワードに絵画の歴史を再検証する
中島水緒=文
ヨークシャー丘陵
ヘレン・リトル=文 中野勉=翻訳
REPORT
ロンドンでデイヴィッド・ホックニーを歩く
齋木優城=文
iPad絵画は(写真のように)「素朴な絵画」に奉仕するの
gnck=文
INTERVIEW
大竹伸朗
成相肇=聞き手
マーティン・ゲイフォード
マルコ・リヴィングストン
國上直子=聞き手
ESSAY
人間的次元
マルコ・リヴィングストン=文 中野勉=翻訳
展覧会情報
ARTIST IN FOCUS
冨井大裕
勝俣涼=取材・文
ルビー・ネリ
山本浩貴=取材・文
ケニー・シャーフ
松下徹=取材・文
ローレン・クイン
ネトルトン太郎=取材・文
WORLD REPORT
New York/Manchester/Völklingen/Los Angeles
ARTIST INTERVIEW
安藤正子
中村史子=聞き手
PAPERS
KYNEと江口寿史──あるいはゾンビ・ポップの予感
塚田優=文
REVIEWS
「ここに根をはる 津波のあとの植物たちとその環境」展
椹木野衣=文
「幽霊の道具」展
清水穣=文
青柳龍太「我、発見せり。」(30)
安藤裕美「前衛の灯火」第7話
プレイバック!美術手帖 原田裕規=文
BOOK
月刊美術史
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