新鋭の彫刻家、中村萌の最新作品集。
新鋭彫刻家のデビュー作から最新作まで、
約100点を収録
土から顔を覗かせていたり、植物をまとっていたり、私たちの遠い記憶にあるような不思議な姿の生きものを、彫刻や絵画で表すアーティスト、中村萌。2014年に台湾のアートフェアへの参加で人気を博したことをきっかけに海外でも注目される存在となり、現在国内外で数多くの展覧会や芸術祭に招聘されています。
本書は、最新作を含めた彫刻や絵画などの作品群約100点を紹介するほか、美術史家による論考、小説家のいしいしんじ氏の書き下ろしの短編小説など、中村萌作品の世界観と魅力を様々な角度から楽しむことができる一冊です。
彫刻作品はもちろん、木の上に描かれた油彩画や、色鉛筆やアクリルによるドローイングも収録。繊細な着色から透けて見える木目の風合いや、細やかに彫り込まれた鑿のあと、生き物の達のやわらかな表情など、作品の細部までお楽しみいただけるよう、印刷にも拘っています。
小説家のいしいしんじ氏の書き下ろしの短編小説を収録。森の中で起こる不思議な出来事を描いた物語は、中村の作品の生き物たちと響き合うような、幼少期のうきうきした瞬間を思い出させてくれる暖かな作品です。
水沢勉氏は作家の経歴・使用するメディウムの変化を確認しながら中村の彫刻家としての魅力に迫り、中尾拓哉氏は中村作品に登場する生き物である「あの子」について丁寧に分析。中村萌作品の作家としての魅力や世界観を美術の専門家の視点から考察します。
デザインは米山奈津子氏(YONEYAMA LLC)。作品ページでは4種類の紙が使用され、雰囲気や手触りの変化がとても楽しい装丁になっています。紙や装丁好きな方にもオススメです。
[目次]
・Sculpture 2022
・Sculpture 2012-2021
・Oil on Wood
・いしいしんじ「木の子ども」
・Sculpture 2023
・Drawing
・作家ステイトメント
・水沢勉「中村萌 自動詞の彫刻」
・中尾拓哉「ここにいること――中村萌がみせる世界の境界」
・作家略歴
・作品リスト
1988年、東京都生まれ。2012年に女子美術大学大学院美術研究科美術専攻修了。植物をまとっていたり、土から顔を覗かせている不思議な生き物を、木を削りだした彫刻や絵画作品で表現する。主な個展は「dark light, white night」(ギャラリー椿、東京、2016年)、「remember you」(ギャラリー椿、東京、2019年)、「GROWTH」(華山1914文創產業園區、台北、2020年)、「inside us」(ギャラリー椿、東京、2021年)、「our whereabouts -私たちの行方-」(POLA MUSEUM ANNEX、東京、2021年)、「before the dawn」(銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM、東京、2022年)。「アートフェア東京」(ギャラリー椿ブース、東京、2018年)、「ART OSAKA 2021」(大阪)、「Art Taipei 2022」(台北)など、アートフェアにも多数参加。2014年の台北のアートフェアへの出品をきっかけに海外でも注目され、国内外の展覧会や芸術祭に招聘されている。
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