現代アートシーンで注目を集める、
梅津庸一の本格的な作品集
梅津庸一(1982年⼭形県⽣まれ)は美術家として2000年代初めより活動し、⽇本における近代美術絵画が生起する地点に関⼼を抱きながら、絵画やドローイングのほか、近年は陶芸作品も手がけています。
本書では、最初期の絵画作品から、ビデオ、ドローイング、そして最新の陶芸作品までを掲載し、これまでの作品の変遷を俯瞰することができます。
ワタリウム美術館での個展「梅津庸一|ポリネーター」や、艸居での2人展「6つの壺とボトルメールが浮かぶ部屋 梅津庸一 + 浜名一憲」の展示風景のほか、5万字を超える長大な評論、1万字のインタビュー、作家自身によるエッセイも収録。
コレクティブ「パープルーム」やギャラリーの運営、さらに展覧会企画や執筆活動まで、高い批評性を保ちながら、独自の方法で現代アートシーンにおける活動の場を切り開いてきた作家の活動を捉えた1冊です。
展示風景のビジュアルも充実
本書の⾒どころのひとつは、2022年にワタリウム美術館で開催された個展「梅津庸⼀展|ポリネーター」や⾋居アネックスでの2⼈展「6つの壺とボトルメールが浮かぶ部屋 梅津庸⼀ + 浜名⼀憲」の展⽰⾵景を写真家の畠⼭直哉が撮影したビジュアルページ。展⽰会場の什器や壁⾯の⾊彩など空間構成も⼿掛ける梅津の世界観を伝えます。
梅津の作品世界と響き合うデザイン
デザインは刈⾕悠三+⾓⽥奈央 (neucitora)。本体はスイス装と呼ばれる背を固定しない製本を採用。表紙は、穴のあいたしおりと、「梅津庸一展|ポリネーター」展示風景を印刷したしおり(2種類のうちどちらか1種類を付属)が重なりあって、表紙の上に置かれ、シュリンクフィルム包装されています。
豊富なテキストで活動の全容に迫る
新藤淳による重厚な論考では、これまでの活動を振り返りながら、梅津の作品の特異性を詳細に論じています。さらに、徳山拓一による梅津のパープルーム活動の実態や近年の陶芸作品ついてに鋭く切り込んだインタビュー、作家⾃⾝のエッセイといったテキストでは梅津の幅広い活動についても分析。いずれも資料としても極めて重要な性質を有しています。多⽤な活動をつなぐ梅津の作家性と、未来の展開を伝える1冊となりました。
【目次】
[エッセイ]複製される固有の花粉たち 文=梅津庸一
[インタビュー]無垢な熱 聞き手=德山拓一
[論考]亡霊と精子と花粉と――梅津庸一のオルタナティヴな表在論的芸術、あるいは「悪い場所」を超えて 文=新藤淳
作家略歴
作品リスト
1982年⼭形県⽣まれ。美術家、パープルーム主宰。⽇本における近代美術絵画が生起する地点に関⼼を抱き、⽇本の美⼤予備校や芸⼤での教育に鋭い視線を投げかけた制作、活動を行う。⾃画像をはじめとする絵画作品やパフォーマンスを記録した映像作品の制作、展覧会の企画、論考の執筆などの活動に加え、制作/半共同⽣活を営む私塾「パープルーム予備校」の運営など、多岐にわたる活動を展開。主な展覧会に「未遂の花粉」(愛知県美術館、2017年)、「恋せよ⼄⼥!パープルーム⼤学と梅津庸⼀の構想画」(ワタリウム美術館、 2017年)、「百年の編み⼿たち―流動する⽇本の近現代美術―」(東京都現代美術館、2019年)、「平成美術:うたかたと⽡礫(デブリ)1989-2019」( 京都市京セラ美術館、2021年)など。著書に『ラムからマトン』(アートダイバー、2015年)。『絵画の⾒かた』(美術⼿帖 2020年12⽉号特集)監修。
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