タイトルの「言端(ことば)」とは、著者の造語。自らの創作活動の中で「己の身体から削り出した言葉の断片」を意味しており、原木にノミを入れ作品を彫り出していく過程で飛び散る「木端(こっぱ)」になぞらえている。「物語やルーツ、背景が垣間見える人や動物、モノが好き」とは、本書掲載の一節。大森は好きなモチーフに対して丁寧に取材することで、まるで命を宿しているかのごとき彫刻作品を創り出す。その作品は、大型の彫像、鏡写しの作品、テーブルやランプ、ベルトのバックルと多彩な顔を持つ。本書では91点の彫刻作品に加え、過去のスナップと新作を彫り始めるまでの密着ドキュメント写真を収録。写真に添えた作家自らから発せられた言葉の数々から、彫刻家、ひいては一人の人間としての大森暁生像に迫る。
【掲載内容】
はじめに
第1章 木端と彫刻
第2章 言端を集めて
作品リスト
あとがき
1971年、東京生まれ。愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業後、彫刻家・籔内佐斗司氏のアシスタントを務める。1999年に独立、工房D.B.Factory開設。精力的に創作活動に勤しみ、国内外のギャラリー、百貨店、アートフェア、美術館等での展示に加え、元ブランキー・ジェット・シティ照井利幸のCELT&COBRAをはじめとした多くのファッションブランドやミュージシャン、テレビドラマや映画とのコラボレーション、店舗内外装のディレクションなど幅広く作品を発表。香川県の讃岐國分寺より制作依頼を受けた、現存唯一の完全版大日如来坐像が2023年完成予定。
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