
場所や天候を巻き込んだサイトスペシフィックな作品や活動を各地で展開し、芸術の根源的問い直しを続けている鴻池朋子。今夏、高松からスタートし、静岡へリレーしてきた鴻池朋子の個展タイトル「みる誕生」。あまり見慣れない字面だ。手で書いてみる。なめらかに一筆で書ける「る」と複雑で画数の多い「誕」のあいだの飛躍につんのめる。試しに声に出してみる。匂いはあるか、味はどうだろう? このなにやら物質的な手応えのある言葉は、様々な素材、地形や気象、ひとびとと出会い、ものづくりを通して遊んできた作家がいま降り立つ、開けた場所なのかもしれない。この特集では、観客の私たちもそこに一緒に向かってみたい。
SPECIAL FEATURE
鴻池朋子
足元へ降り立つ「みる誕生」
INTERVIEW
鴻池朋子インタビュー
編集部+杉原環樹=聞き手 近江ひかり=構成 永禮賢=ポートレート撮影
FOCUS 01 みる誕生会
みる誕生会――指先と作品のあいだに生まれるもの
対談:半田こづえ × 細矢芳
白坂由里=聞き手・構成
FOCUS 02 筆談ダンス
時間のなかにとどまる――鴻池朋子の方法
木下知威=文
FOCUS 03 糞土思想とミュージアム
FUNDAMENTAL GRAFFITI(for museum)
奥脇嵩大=文
FOCUS 04 物語るテーブルランナー
旅に出る。出会い、誤解し、変化し続けるため。
――《物語るテーブルランナー》を「どうぶつのことば」で語る
メイボン尚子=文
コラム:転がる転がるテーブルランナー
弓指寛治=文
鴻池朋子のストラクチャー
菅原淳子=編集 小川順子=デザイン
FOCUS 05 大島と「金陽会」の絵
「みせる誕生」――ある壁のぼりから
藏座江美=文
コラム:美術の初源を伝える――鴻池朋子さんについて
北川フラム=文
FOCUS 06 「逃走階段」と「緑の森の一角獣座」
《緑の森の一角獣座》をめぐる、アーティスト ――若林奮、田島征三、鴻池朋子がつなぐ螺旋
永峰美佳=取材・文
ESSAY
惑星のほうへ――高松と大島を旅して感じたこと
山本浩貴=文
SPECIAL DIALOGUE
池澤夏樹 × 鴻池朋子
目でないものでみる
耳でないものできく
永峰美佳=構成 南阿沙美=撮影
展覧会情報
ARTIST IN FOCUS
今井俊介
鈴木俊晴=取材・文
青柳菜摘
松井茂=取材・文
WORLD REPORT
New York/London/Berlin/Torino/Los Angeles/Santa Fe
ARTIST INTERVIEW
プレシャス・オコヨモン
山本浩貴=聞き手
PAPERS
ルース・アサワ――生命/環境のネスト
沢山遼=文
REVIEWS
「比田井南谷~線の芸術~」展 椹木野衣=文
「法貴信也個展―S171101ST(R)」
「法貴 信也 個展」
「ゲルハルト・リヒター」展 清水穣=文
青柳龍太「我、発見せり。」(27)
安藤裕美「前衛の灯火」第4話
プレイバック!美術手帖 原田裕規=文
BOOK
月刊美術史
アート&デザイン学校ガイド
(武蔵野美術大学/女子美術大学/秋田公立美術大学/多摩美術大学/東京造形大学/長岡造形大学/相模女子大学ほか)
WORLD OF NFT ART Adam byGMO
アートで社会の課題解決したい、展示を企画したい、ワインに関わるイベントをしたい、
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点(ドット)や曲線を自らの手で反復しながら、生命の気配や運動によるエネルギーを想起させる作品を制作するアーティスト、大和美緒。代表的なシリーズ作品を収録した作家生活10年を記録した初の作品集。
夢の世界とリアルな日常が交差する、独自の世界を表現する長井朋子。国内外で多くの展覧会を成功させ、テレビ番組のアートワークや小説の挿画、公共施設のビジュアルなども手掛ける多彩なアーティストの作品集。