1990年代より、音楽やサブカルチャーに影響を受けた大量のドローイング作品により注目を集め始めた五木田智央。その後グラデーションを特徴とするモノクロのペインティングや、近年ではミニマルで造形的なカラー作品を発表し、国内外のギャラリーや美術館などで個展を開催している。五木田の絵画制作の原点は、日本の美術教育ではなく、自ら浴びるように享受した1970年代〜90年代のミックスカルチャーにある。ハイアートの外側を走り続け、気がつけば日本を代表する画家のひとりとなっていた彼は、これまで何を考え、どのように絵を描き続けてきたのか。この特集では、「もっとヘタになりたい」と語る、五木田の絵画はもちろんのこと、それらを生み出す文化的コンテクストにも焦点を当て、彼の絵画構築の方法や創作の原点に迫る。
SPECIAL FEATURE
五木田智央
「ヘタ」こそ絵画の美しさ
The Chronicle of Tomoo Gokita’s Works
作品の変遷 2007~2022
五木田智央インタビュー
「ヘタ」の美しさと作品ならざる絵画の自由
牧信太郎=聞き手 当山礼子=撮影
「コンセプト」なき 絵画制作の方法論
牧信太郎=構成・文
対談:角田純×五木田智央
絵のわからなさと付き合い、ただ「普通」に描いていく
ジェイミーソン・ウェブスター(精神分析医)
ネトルトン太郎=聞き手
五木田智央の
文化的コンテクストを探る
松村正人=構成・文
ジム・オルーク(音楽家)
松村正人=聞き手
The Original Photo Book by Tomoo Gokita 2001
五木田智央の写真集
五木田智央の「ヘタうま」画業人生
テイ・トウワ(音楽家)
ティム・ブラム(Blum & Poe共同創設者)
ネトルトン太郎=聞き手
石井孝之(タカ・イシイギャラリー代表)
みんなで語る「五木田智央」
ジェリー鵜飼/塩田正幸/古田泰子/渡辺友郎/鈴木聖/安丸順子/日野浩志郎/山辺圭司/ 松永耕一/井上崇宏/吉田宏子
ESSAY
五木田智央にとっての「アート」と「イラストレーション」
塚田優=文
ターンテーブルとしての画家の肖像
佐々木敦=文
The Sketches in notebooks byTomooGokita①~⑤
五木田智央100問100答01~03
SPECIAL FEATURE
ドクメンタ15
ルアンパが誘い込む、ひらかれた世界
金井美樹=文
ARTIST IN FOCUS
工藤麻紀子
桑名真吾=聞き手・文
田口和奈
鼎談:田口和奈×岩永忠すけ×松原壮志朗、進行=説田礼子
WORLD REPORT
New York / London / Kassel, Berlin / Paris / São Paulo
ARTIST INTERVIEW
アレック・ソス
ミヤギフトシ=聞き手
PAPERS
表徴を愛する
粟田大輔=文
REVIEWS
「中村恭子 日本画作品展」 椹木野衣=文
「ゲルハルト・リヒター」展 清水穣=文
ヴーヴ・クリコ ソレール カルチャー
WORLD OF NFT ART Adam byGMO
青柳龍太「我、発見せり。」(26)
安藤裕美「前衛の灯火」第3話
プレイバック!美術手帖 原田裕規=文
BOOK
月刊美術史
常備店リスト/バックナンバー案内
次号予告
BOOK IN BOOK
ミュージアムはデジタル化とどう向き合うか
アートで社会の課題解決したい、展示を企画したい、ワインに関わるイベントをしたい、
書籍を出版したい、メディアに広告を出稿したい……。
アートとワインを軸とした事業のご相談を、課題の発掘から承ります。
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