実写映像をトレースしたアニメーション作品で知られる現代アーティスト、佐藤雅晴の活動の全貌を紹介する展覧会の公式図録。
佐藤雅晴は、日常風景をビデオカメラで撮影した後、パソコン上のペンツールを用いて慎重にトレースする「ロトスコープ」技法でアニメーション作品や平面作品を制作。現前に映る事物の実在感とともに、不確かさや儚さなどを感じさせる独特の世界観が国内外で高い評価を受けるなか、2019年に45歳の若さで亡くなった。
本書では、代表作《Calling》(2009–2010/2014)、《東京尾⾏》(2015–2016)、《福島尾⾏》(2018)などの映像アニメーション作品、アクリル画などの展覧会出品作を紹介するほか、出品作以外の作品も掲載。現実と非現実が交錯したような作品世界を、様々な展示風景写真とともに表現した一冊。そのほか、佐藤の作品を丁寧に紐解く論文やエッセイも収録し、活動の全貌が初めて作品集としてまとめられる。
【展覧会情報】
「佐藤雅晴 尾行─存在の不在/不在の存在」
会場:大分県立美術館 1階 展示室A
会期:2021年5月15日(土)〜2021年6月27日(日)
展覧会公式HP
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
会期: 2021年11月13日(土)〜2022年1月30日(日)
【お詫びと訂正】
本書の以下のページにて誤りがございましたので、下記のとおり訂正いたします。
・P. 146、212 《Hands》作品情報
誤)サイレント
正)サウンド
『佐藤雅晴 尾行─存在の不在/不在の存在』正誤表
読者の皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
佐藤雅晴(さとう・まさはる)
1973年大分県生まれ。1999年東京藝術大学大学院修士課程修了後、国立デュッセルドルフ・クンストアカデミー(ドイツ)に在籍。2009年には「第12回岡本太郎現代芸術賞」で特別賞を受賞。帰国後は茨城県を拠点に活動を展開し、近年では、個展「ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴─東京尾行」(原美術館、2016)のほか、シドニーでも個展「TOKYO TRACE 2」(Firstdraft Gallery、2017)を開催。「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」(森アーツセンターギャラリーほか)や「六本木クロッシング 2019展:つないでみる」(森美術館)、「ヨコハマトリエンナーレ2020」(横浜美術館、プロット48、日本郵船歴史博物館)など、グループ展にも数多く出品。2019年逝去。
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