「この本は、従来の立体視の本とは明らかに違う。
現実の生物や建造物の写真を素材とせず、どのページも作者たちの脳の中に勝手に立体として現れたイメージを元にしている。
そして、それを他人の脳でも再現すべく、読者の右目と左目の為に、二つの少しずれた図版を製作している。……」(前書より)
佐藤氏が高校時代に使っていた数学の参考書に添付されていた空間図形を立体視することのできる装置。
若き日の佐藤氏はそれを通して見た立体図形の美しさに驚き、魅了される。
それから30有余年、若き日の佐藤氏の感激は忘れられることなく、ここにまったく新しい立体視の本として甦った。
左右のレンズを通して見ると、そこにあなたが知っているようで、実は見たことのない、不思議な立体世界が現れる。
円柱や立方体、その断面図、任意の線や面。それらが織りなす繊細な美の世界。
この本には、そんな空間図形の美しさが一杯詰まっている。
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