
はじまりも終わりもない「通路」
この本には、川俣正のプロジェクトを撮影した記録写真、街なかのスナップ写真、未完のままのプロジェクトのためのスケッチ、あるいはフィールドワークとして撮影された写真などが混在しながら並ぶそこに、これまでアーティスト自身が語った言葉や、批評として投げかけられた言葉が散りばめられ、繰り返される対話の記録と30年間の歩みが、書物としての[通路]を形づくる。
これは、くねくねとうねりながら思考を続ける川俣正の頭の中をのぞくようなコンセプト・ブックである。(本書前書きより)
川俣正(かわまた・ただし)
1953年生まれ。
28歳の若さでヴェネツィア・ビエンナーレの参加アーティストに選ばれ、その後もドクメンタなど、欧米を中心に高い評価を獲得し続け、2005年にはアーティストでありながら横浜トリエンナーレの総合ディレクターとして大規模な国際展の企画を任されている。
また、東京藝術大学が革新的な試みとして設置した「先端表現学科」の立ち上げに教授として着任し、既存の芸術表現に加え、建築やテクノロジー、哲学などさまざまな表現が交わるところで、帰省の表現の枠組みを超えていく試みを実践してきた。
現在はパリ国立美術学校の教授であり、海外でもっともよく知られている日本人アーティストである。
彼の仕事が関わっていく分野は、建築や都市計画、歴史学や社会学、日常のコミュニケーション、あるいは医療にまで及ぶ。
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