
メディアアーティスト岩井俊雄氏が小学校で行った「図工」と「メディア」をつなぐ特別授業を完全収録。
授業のノウハウはもちろん、子どもたちの教育の現在と未来、人とメディアやテクノロジーの関係が見えてくる一冊。
メディアアーティストとして活躍する岩井俊雄氏が、2008年10月に三鷹市の小学校で行った「特別授業」。自身の作家活動や経験をベースに、各学年のレベルに合わせて異なるカリキュラムが組まれたそれらの授業は、「光」「時間」「動き」「音」「コミュニケーション」といった、これまで教育現場では取り上げにくかった新しい「メディア」を用いたものでした。
「今の子どもたちは、テレビやパソコン、ゲームや携帯電話といったハイテク情報機器に囲まれ、さまざまなメディアから次々と送り出される映像や情報に日々さらされています。子どもたちが自分で遊びを工夫していた昔と比べて、遊びも創作も、すでに決められた枠の中で目的まで与えられ、子どもたち本来の自由な発想や創造力が発揮できないでいるのでは、と感じます。そんな今、子どもたちが自分で考え、何かを生み出す喜びに目覚めるにはどうしたら良いかーーそう考え始めていた時に、運良く娘の通う小学校の全学年で特別授業をやれることになり、図工とメディアをつなぐことを目標に知恵を絞り、全身全霊をかけて授業に取り組みました」。(「はじめに」より)
本書はこの授業内容と、背景にある考えを、子どもたちが作品づくりに取り組んでいる様子や作品図版など多数のビジュアルとともに完全収録。教育関係の方々はもちろん、同世代の子どもをもつ方々、映像、メディア、テクノロジー、美術、デザインなどにかかわる方に、子どもたちや学校の現在と未来、そして人とメディアやテクノロジーの関係を考えるきっかけとして読んでいただける内容となっています。
<各学年のカリキュラム>
1年生
みんながおどろく『どっちがへん?』をつくろう!
2年生
みんながおどろく『リベットくん』をつくろう!
3年生
みんながおどろく『動くキャラクター』をつくろう!
4年生
みんながおどろく『空中写真』『からだアニメ』をつくろう!
5年生
みんながおどろく『光のポートレイト』をつくろう!
6年生
みんながおどろく『顔のおどろきばん』をつくろう!
●岩井俊雄(いわい・としお)
メディアアーティスト。フジテレビ『ウゴウゴルーガ』のCGキャラクター、三鷹の森ジブリ美術館の映像展示『トトロぴょんぴょん』『上昇海流』、ニンテンドーDS『エレクトロプランクトン』、NHK教育テレビ『いないいないばぁっ!』のオープニングアニメーションなどを手がける。著書に『いわいさんちへようこそ!』『いわいさんちのどっちが?絵本(全3冊)』『いわいさんちのリベットくん』(すべて紀伊國屋書店刊)、『100かいだてのいえ』(偕成社刊)。
岩井俊雄ブログ いわいさんちweb(http://iwaisanchi.exblog.jp)
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