小谷の作品の本質を探るべく、10年以上にわたって発表されてきた小谷の初期作品から最新作までを一堂に集めるほか、「映像彫刻」とも呼ぶべき体験型の大型映像インスタレーションや、重力や回転などの生命のしくみに関わる現象をテーマにした新作を紹介します。
T エッセイ|Essay
ファントムを探して / 荒木夏実
Looking for Phantoms / Araki Natsumi
U 作品図版|Plates
Chapter A Transfiguration / Mutation
Chapter B (Un)natural × (Un)controlled
Chapter C Speed = Form
Chapter D Modern: Zombie
Chapter E Anti-gravity / Sign, Shadow
Chapter F Infancy & Eros
V エッセイ|Essays
反重力のイリュージョンを創るための方法と手段 / 毛利義嗣
Method and Means for Creating Anti-gravity Illusion / Mohri Yoshitsugu
小谷元彦と日本の彫刻──「SP」シリーズ以降の小谷について思うこと / 川谷承子
Odani Motohiko and Japanese Sculpture ?A Consideration of Odani’s Work from the SP series Onwards / Kawatani Shoko
小谷元彦:霊性なる触覚空間 / 芦田彩葵
Odani Motohiko: The Spiritual Dimensions of Tactile Space / Ashida Aki
【著者紹介】小谷元彦(おだに・もとひこ)
小谷元彦は、東京藝術大学で彫刻を学んだ後、多様な手法と素材を用いて、従来の彫刻の常識を覆す作品を発表してきました。
その造形表現と美意識は高い評価を受け、2003年にヴェネツィア・ビエンナーレ日本館代表の一人として選ばれるなど、国内外でめざましい活躍を見せています。
小谷はしばしば、痛みや恐怖などの身体感覚や精神状態をテーマに、見る者の潜在意識を刺激するような作品を制作します。
毛髪を編んだドレスや拘束具を着けた動物、異形の少女、屍のような武者の騎馬像など、一つの解釈に帰着しえない多層的なイメージは、美と醜、生と死、聖と俗の境界線上で妖しい魅力を放ちます。
彫刻というメディアのもつ性格に対して鋭敏な意識をもつ小谷は、彫刻特有の量感や物質性に抗う(あるいは逆手にとる)かのように、実体のない存在や形にできない現象、すなわち「幽体」(ファントム)をとらえ、その視覚化を試みてきたといえます。
本展では、小谷の作品の本質を探るべく、10年以上にわたって発表されてきた小谷の初期作品から最新作までを一堂に集めるほか、「映像彫刻」とも呼ぶべき体験型の大型映像インスタレーションや、重力や回転などの生命のしくみに関わる現象をテーマにした新作を紹介します。
従来の彫刻の概念を超えて、存在のあり方をあらゆる方向から捉えて形にしようとする小谷の作品を通して、美術表現の新たな魅力と可能性に迫ります。
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