森 正洋(もりまさひろ・2005年没)は、九州の白山陶器を拠点とし、日本のセラミックシーンを牽引しつづけたデザイナーで、2011年末に亡くなった柳宗理と並ぶ日本のプロダクトデザインの巨匠です。
「G型しょうゆさし」は、1958年の発売以来、一般家庭だけでなく飲食店でもよく使われている、超ロングセラー商品。
また、近年ではセレクトショップでの販売や、2004年から無印良品のためにデザインした「和の器シリーズ」により再び、人気が高まってきています。
この書籍では、森 正洋の言葉と生き様に焦点をあて、森 正洋が「ものをつくること、デザイン、生活、社会」について語った真摯で熱い言葉85本が主役です。
合わせて、仕事をともにした白山陶器のスタッフ、森 正洋のデザインワークを間近で見てきた仕事仲間、教え子のインタビューも掲載し、生き生きとした森 正洋の姿を感じられるようにしました。
普遍的なデザインを死の直前まで生み出し続けた森 正洋のデザインに対する考えを味わえる内容です。
中ページより(すべて、森正洋の言葉)
「きれいだけじゃだめなんだな。たくましさと、造形に対する闘争心を出さないと。新しいものを生み出す勇気をね」
「使えるものをつくってこい」
「完成されたものをまねて、そこから何が生まれるの」
「生活が変わっているのに、ものだけ変わらないなんてことはない」
「デザインっていうのはさ、胃袋と市場によって決まるんだよ。そういう生々しい実感がデザインにはいるわけ。だから実感を持って、考えている人がいいんだよ」
目次
まえがき ナガオカケンメイ(デザインディレクター)
第1章 デザイナーとして生きる
森正洋の言葉
森さんのノモの売りかた 談・松尾慶一(白山陶器 社長)
森先生の無言の教え 談・崔 宰熏(LIXILデザイナー)
教育者としての森先生 談・栄木正敏(プロダクトデザイナー)
正洋が父と母から受け継いだもの 談・森 敏治(森正洋の長兄)
第2章 かたちを作る
森正洋の言葉
森先生に怒られた記憶 談・富永和弘(白山陶器 デザイン課長)
実感から生まれるかたち 談・福田由希子(白山陶器 デザイナー)
森さんと松屋銀座 談・山田節子(ライフスタイルコーディネーター)
森くんを支えた「万機普益」の教え 談・織田了悟(円福寺 前住職)
第3章 社会の中のデザイン
森正洋の言葉
業務用食器のデザイン 談・木原長正(有田焼産地商社キハラ 社長)
シェルシリーズが世に出るまで 談・阪本やすき(白山陶器 デザイン室長)
「平茶わん」が示す未来 談・小松 誠(プロダクトデザイナー)
「デザインはデモクラシー」の意味 談・宮?珠太郎(竹工芸作家)
森 正洋プロフィール 小田寛孝(デザインモリコネクション 代表)
あとがきにかえて 林良二(「森 正洋を語り・伝える会」副代表世話人)
「森 正洋を語り・伝える会」について
図版解説
「森 正洋の言葉」出典
アートで社会の課題解決したい、展示を企画したい、ワインに関わるイベントをしたい、
書籍を出版したい、メディアに広告を出稿したい……。
アートとワインを軸とした事業のご相談を、課題の発掘から承ります。
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