ボーイズラブ
“関係性”の表現をほどく
主に女性作家が創作する、男性同士の愛や絆の物語であるボーイズラブ(BL)。
1960年代末の少女マンガにその原型が萌芽して以来、ひとつの物語ジャンルとして成熟を続けている。
BLのどこに魅力を感じるかは十人十色だが、 特筆すべきは"関係性"の表現にあると言えるだろう。
恋愛を描くことに主眼を置くBLにおいて、「攻め」「受け」という用語から、 男性身体像の描き分け、「行間」を読ませる繊細な心理描写にいたるまで、 数々の画期的な表現が登場人物の"関係性"を表すために生み出されてきた。
描き手/読み手の心を時に癒し、時に興奮させ、 ジェンダーやセクシュアリティーに対する固定概念を揺さぶり、 愛することや欲望の発露について思考をめぐらせるきっかけとなる。
そんなBLならではの表現を、作家はどのように描いてきたのか?
【特集】 ボーイズラブ
ILLUSTRATION
スペシャル描き下ろしイラスト!
ヨネダコウ/宝井理人/えすとえむ/岡田屋鉄蔵/トウテムポール/雲田はるこ/腰乃
INTERVIEW
10人のマンガ家が語るインタビュー
雲田はるこ ヤマダトモコ=聞き手
ヨネダコウ 川原和子=聞き手
よしながふみ 松井みどり=聞き手
中村明日美子 千田有紀=聞き手
こだか和麻 山本文子=聞き手
宝井理人 平松梨沙=聞き手
鳥人ヒロミ 千田有紀=聞き手
トウテムポール 横井周子=聞き手
はらだ 金田淳子=聞き手
田亀源五郎 エスムラルダ=聞き手
イラストポスター 中村明日美子=イラストレーション
SPECIAL WORK
描き下ろしマンガ
中村明日美子「ボーイズラブ」
CROSS TALK
座談会:金田淳子 福田里香 山本文子
熱きボーイズラブの表現を語る!
[コラム]ボーイズラブの歴史 金田淳子=文
[コラム]ボーイズラブ世界一周 長池一美=文
必ず読みたいBLマンガ20 金田淳子=文
ESSAY
論考:ボーイズラブから考える
松井みどり 「少年の器、少女の愛」
暮沢剛巳 「趣味の共同体の外側で」
泉信行 「恋の心のシミュレート」
*
SPECIAL FEATURE
第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014
レビュー:福岡アジア美術トリエンナーレにみる、汎アジア的地域主義 ダリル・ウィー=文
評論連載
後美術論〈第二部・流浪篇〉 第4回 日本・列島・美術(中編) 椹木野衣=文
Artist Pick Up
スターリング・ルビー 後藤桜子=文
WORLD NEWS
New York / London /Metz+Paris /Amsterdam/ Berlin
/ Players in Art Market /世界のアート注目トピックス
ARTIST INTERVIEW
五木田智央 Tomoo Gokita 五所純子=聞き手
他
【お詫びと訂正】
美術手帖12月号の特集内におきまして、内容に誤りがありました。
読者および関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫びし、訂正させていただきます。
73ページ「萌える座談会」記事内、註8 (誤)『comic JUNE』 → (正)『comic JUN』
81ページ「ボーイズラブの歴史」記事内、「主要参考文献」 (誤)椎野傭一 → (正)椎野庸一
121ページ「ボーイズラブ世界一周」記事内、「keyword 無国籍」に掲載した図版は、
「日本人作家による作品を英訳したもの」の誤りであり、本文の論旨にそぐわないものでした。
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