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『美術手帖 国際版』第2号の特集では、1950?70年代に起こった「具体」「もの派」「単色画(タンセクワ)」という、いま世界的に注目される3つの戦後東アジアの美術動向を紹介します。いずれも一様に、近年、再評価をもたらす国内外での展覧会が相次ぎ、時代を経ても古びない先進的なアートの形を私たちに見せてくれています。しかし、これらは一時代を共有しながらも、日本の関西(=具体)、東京(=もの派)、ソウル(=単色画)と地理的には離れ、また美術史的にも別々に語られる動向です。
ではなぜ突然、この3つが特に、現在の、それも世界規模のアートシーンを賑わす存在となったのか。単なる偶然か、それともそこに現代をも揺さぶる、この時代の東アジアに通底する何かがあるからなのか。本特集ではこの3動向を並置し、李禹煥や朴栖甫といったトップ・アーティストへのインタビューや、各動向の次世代研究者による、「なぜ?」に応えるエッセイを交えてみることで、この3つの動向の共鳴や差異を浮かび上がらせます。
また、第2特集では、福島の帰還困難区域で開催されている「Don’t Follow the Wind」展を紹介。写真家・大森克己によるフォト・レポートと、椹木野衣の寄稿文を掲載。そのほか、ジム・ショーとピエール・ユイグのアーティスト・インタビュー、マンガ家・西島大介による『ディエンビエンフー』のオリジナル短編の書き下ろし、「村上隆のスーパーフラット・コレクション展」を開催した村上隆のインタビュー、アンセルム・フランケのエッセイなどを収録。
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【目次】
SPECIAL FEATURE
WHY ASIAN ART NOW? GUTAI, MONO-HA, DANSAEKHWA
-Lee Ufan Interview
[Dansaekhwa]
-Park Seo-Bo Interview
-Ha Chong-Hyun Interview
-Essay: “An Example of Alternative Modernity”
by Sam Bardaouil and Till Fellrath
[Mono-ha]
-Kishi Suga Interview
-Essay “Mono-ha’s Afterlife”
by Mika Yoshitake
[Gutai]
-Reviewing “Beyond the Closed Circle”
-Essay: “Gutai: Decentering Modernism”
by Ming Tiampo
-Gutai, Mono-ha, Dansaekhwa Diagram
-Artist Files
-Dialogue: “The Making of History”
Joan Kee X Miwako Tezuka
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SPECIAL FEATURE 2
DON’T FOLLOW THE WIND
ARTIST INTERVIEW
-Jim Shaw
-Pierre Huyghe
ARITST FILES: Eddie Peake/ Guan Xiao/ Masaya Chiba/ Korakrit Arunanondchai
MANGA: “Dien Bien Phu” by Daisuke Nishijima
ART WORLD CATALYSTS: Arty
ISSUE: “Turning the Tables, Gently” by Anselm Franke
Meet the Collectors: Hiroshi Taguchi
Merging Art & Business, China & the World – Adrian Cheng Interview
Takashi Murakami on Superflat Collection
LOOK BACK: Jan 1 – Dec 31, 2015
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