戦争はまだ続き、万博は繰り返される。
戦前に計画された紀元二六〇〇年博と1970年の大阪万博EXPO'70を結ぶ、都市計画家、建築家、そして前衛芸術家たちの、終わりなき「未来」への夢の連鎖のなかに「環境」の起源をたどるタイムトラベル的長編芸術評論。
1970年、大阪万博EXPO'70アメリカ館に展示されたアポロ11号の「月の石」と連日の新聞をにぎわす学生運動家たちの「投石」のかたわらで、美術館の床に置かれた「石の作品」が日本の美術界を塗り替えようとしていた。――岡本太郎、丹下健三、浅田孝、瀧口修造と実験工房、メタボリズム、粟津潔、磯崎新、ハイレッド・センター、石子順造、李禹煥、ダダカン(糸井貫二)、中ハシ克シゲ、ヤノベケンジらの作品を独自の視点でリンクしながら、昭和史の戦前・戦中・戦後を貫くもうひとつの戦争美術=「万博芸術」の時代をいま浮き彫りにする。
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