日本のアートシーンの定点観測
「六本木クロッシング」は、日本のアートシーンの"明日"を見渡すべく、多様なジャンルのアーティストやクリエイターを紹介する展覧会として、2004年にスタートしました。3年に1度開催され、毎回異なるキュレーターが、複数の視点により独創的な作品を選出。日本のアートシーンの定点観測ともいえる展覧会です。
3回目を迎えた今回は、現代社会の中のさまざまな問題を描くアート、他者との協同やジャンル横断により新たな可能性を見せるプロジェクト、ストリートを舞台とする創作活動、そして新しい美学の誕生を予感させる新世代の表現など、3人の担当キュレーターによって選ばれた数多くの最新作や話題作を紹介しています。
社会にメッセージを発しているアート
「2000年代半ば以降、日本の現代美術シーンでは、作家が自分の内面世界をナイーブな感受性で表現する絵画などが大きな潮流だとされたりします。いわゆる『かわいい』や『きもかわいい』表現、ユルい日常を描くものなどがひとつの傾向です、というとらえ方がありますよね。私は日本の現代アートはそれだけじゃないと思うんです。確かに、ヨーロッパと比べると、社会にきちんとメッセージを発している作品は圧倒的に少ない。でも、少ないけれどきちんとそういうことをしている人々が絶えずいて、それは評価されるべきだと思っています。これは現代美術がもともと持っている大切な役割のひとつなので、きちんと取り上げていかなければと思っているんです」 ???? 担当キュレーターの1人、近藤健一氏(森美術館アソシエイト・キュレイター)、森美術館公式ブログより
本書は、社会にメッセージを発信しつづけている出展作家20組の代表作や、展覧会会場における主な出品作品を掲載しています。海外の美術関係者が日本の現代美術の動向を見極め、新進の日本人アーティストを発掘する場として活用しているといわれている本展。その公式図録は、アートバブル崩壊以後の混沌とした状況の中で、今後の日本のアートシーンを読み解くにあたり、貴重な資料となる1冊です。
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