椹木野衣の長編評論『後美術論』が、優れた芸術評論を発表した人に贈られる第25回吉田秀和賞を受賞! | 株式会社美術出版社|アートを社会に実装させる
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椹木野衣の長編評論『後美術論』が、優れた芸術評論を発表した人に贈られる第25回吉田秀和賞を受賞!

椹木野衣著『後美術論』(美術出版社刊)が、芸術の分野で優れた評論を発表した人に贈られる第25回吉田秀和賞を受賞しました。建築家の磯崎新氏、音楽評論家の片山杜秀氏による審査を経て、候補186点より選出されました。

『後美術論』は、既存の芸術のジャンルを破壊して展開される長編芸術評論。2010年11月から2013年12月まで、3.11をまたいで書き上げられた『美術手帖』の連載から14回分をまとめた、600ページ超の大著です。ジャンルという垣根のもとでは互いに参照されることのない事象を並列して論じ、美術、そして美術批評という概念自体を再構築しようとする意欲作。磯崎氏からも本賞の選評として「たんなる研究や報告ではなく、この報告そのものが誰も真似できないプロジェクトである」との評価を受けています。

【吉田秀和賞について】
芸術文化を振興する目的のもと、優れた芸術評論を書いた人に贈られる賞として平成2年に創設。審査員は第18回の受賞者である片山杜秀氏と、今年5月に逝去した杉本秀太郎氏に代わって今回より磯崎新氏が審査員に就任しました。本年の候補書籍は186点(音楽27点/演劇14点/美術59点/映像39点/建築11点/その他36点)。美術出版社からは初の受賞となります。副賞は賞金200万円。

『後美術論』
後美術(ごびじゅつ)とは…
美術や音楽といった既成のジャンルの破壊を行うことで、ジャンルが産み落とされる前の起源の混沌から、
新しい芸術の批評を探り当てる試み。
例えば、ジョン・レノンとオノー・ヨーコの活動を同じ「後美術(アート)」と呼ぶこと。
ポピュラー音楽と前衛美術の枠組みが外されて、
二人のアーティストとなったジョンとヨーコによる「音楽と美術の結婚」―。
このジャンルを溶解させる婚姻から授かる創造の地平が「後美術」である。

椹木野衣(さわらぎ・のい)
美術批評家。1962年秩父市生まれ。著書に『日本・現代・美術』(新潮社、1998年)、『シミュレーショニズム』(増補版・ちくま学芸文庫、2001年)、『美術になにが起こったか』(国書刊行会、2006年)、『なんにもないところから芸術がはじまる』(新潮社、2007 年)、『反アート入門』(幻冬舎、2010年)、『新版 平坦な戦場でぼくらが生き延びること 岡崎京子論』(イースト・プレス、2012 年)、『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書)、『戦争画とニッポン』(会田誠との共著、講談社)、『日本美術全集 第19巻 拡張する戦後美術』(責任編集、小学館)、『Don’t Follow the Wind 公式カタログ 2015』(Chim↑Pomとの共著、河出書房新社)など。展覧会キュレーションも手がける。現在、多摩美術大学教授。

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